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    シャッターの開閉を支えるバネは、年月の経過とともに劣化し、交換が必要になることもあります。開閉時に重く感じたり、異音が発生したりする場合は、バネに不具合が生じている可能性が高いでしょう。中には、自分で取り外して対処しようと考える方もいるかもしれませんが、バネには非常に強い力がかかっており、扱いを誤ると重大な事故やケガにつながる恐れがあります。この記事では、シャッターのバネに関する基礎知識に加えて、自力での作業が危険とされる理由や、専門業者に依頼した場合の費用相場について分かりやすく解説します。

    シャッターのバネとは?構造と劣化のサイン

    シャッターのバネは、開閉動作を支える重要な部品です。ここでは、スプリングシャフトの構造と働きに加えて、劣化や故障によって表れやすい変化を紹介します。

    バネの構造とシャッター内での役割

    スプリングシャフトは、中央に配置された巻き上げ棒と、その外側に巻き付けられたバネで構成されています。巻き上げ棒が軸となり、バネの張力を利用してシャフト全体が回転し、スラットが上方向へ巻き上がる仕組みです。バネの力が加わることで開閉時の負担が軽くなり、手動でも扱いやすく感じられます。

    バネは開閉のたびに張力を受け続けるため、金属疲労やサビの影響で力の伝わり方が乱れる場合があります。巻き上げ棒の回転とバネの伸縮は連動して動き、状態が悪化すると巻き上げのバランスが崩れ、スラットが途中で止まるケースも生じるでしょう。張力が弱まった状態では巻き上げの力が不足し、開閉時の重さが増える傾向が強まります。

    劣化・不具合の兆候

    バネに不具合が生じると、開閉の動きに変化が表れます。バネの張力が弱まったり、内部で摩耗が進んだりすると、巻き上げに必要な力が不足し、シャッター全体の動作に偏りが生じます。ここでは、劣化が進んだ際に起こりやすい代表的な症状を紹介します。

    開閉時に重く感じる

    バネの張力が弱まると、巻き上げを補助する力が不足し、シャッターを持ち上げる際に重さを感じます。スプリングシャフトへ十分な力が伝わらないため、持ち上げる途中で動きが鈍ったり、滑らかさが失われたりします。シャッターを開閉する際に重たく感じられるのは、バネの劣化で起こる代表的な症状です。

    異音がする

    バネの劣化が進むと、巻き上げに必要な力が均等に働かず、開閉の動作が乱れます。動きが滑らかでない状態では、金属がこすれる音や引っかかる音が発生する場合があります。普段と異なる音は、バネの弱りによって起こる不具合の一つです。

    スラットやシャフトがずれている

    バネの張力が弱まると、巻き上げ時の力が均等に働かず、スラットやシャフトの位置がずれる場合があります。力のかかり方が片寄る状態では、スラットが斜めに上がったり、途中で引っかかったりする動きが起こります。位置が偏ったまま使い続けると、レールとの摩擦が増え、開閉に必要な力も大きくなるでしょう。

    耐用年数を超えている

    シャッターに使用されるバネは、長期間の使用によって徐々に劣化が進みます。多くのメーカーでは、部品を含むシャッター全体の耐用年数を10年~15年に設定しており、年数が大きく経過するとバネの張力も低下します。年数の経過に伴って内部の摩耗やサビが進むと、巻き上げに必要な力が不足し、開閉の動作が不安定になることがあります。耐用年数を過ぎた状態で使い続けると、突然バネが破断する危険も高まり、動作停止や落下トラブルの原因になります。

    シャッターのバネを自分で外す危険性

    スプリングシャフトに組み込まれたバネには張力がかかっており、巻き戻しの力が強く働いています。メーカーや業者がDIYでのバネの交換や調整を推奨していない理由は、バネの張力の扱いが難しく、正確な手順と安全な固定が欠かせないからです。誤った手順で取り外そうとすると、張力が急激に解放され、思わぬ事故につながるでしょう。ここでは、自力でのバネ交換・調整がなぜ危険なのかを解説します。

    バネが飛び出すリスク

    スプリングシャフトのバネには強い張力がかかっており、巻き戻す方向へ引く力が常に働いています。バネを固定している部分を外す際に角度や順番を誤ると、押さえていた力が一気に解放され、勢いよく跳ね上がる危険があります。固定が不十分な状態では、バネが軸から外れて飛び出し、手や顔に当たる事故につながりかねません。バネが外へ向かって跳ねるのは、巻き戻し方向への力が強く残っていることが原因です。張力がかかったままの部品を扱うには、専用の固定具で確実に位置を保持しながら、慎重に手順を進める必要があります。正しい工具や手順を使用しない作業では、バネの暴発によって大きなケガを負う恐れが高まるでしょう。

    スラットが落下する危険性

    スプリングシャフトのバネには強い張力がかかっており、この力がスラットを巻き上げる動作を支えています。調整中に固定が外れると張力が急に失われ、シャフトの回転を制御できない状況に変わります。巻き上げを補助する力が途切れると、スラットの保持が弱まり、巻き上げ途中の位置から一気に落下しかねません。落下したスラットで人がケガをするだけでなく、車両に接触したり、室内側へ倒れ込んで設備や機器の破損が起こったりする可能性もあります。

    巻き戻し中のバネに巻き込まれる恐れ

    スプリングシャフトの調整では、バネの張力を少しずつゆるめながら巻き戻します。バネには常に強い力がかかっており、素人が巻き戻しの動きを制御するのは容易ではありません。作業中に工具の角度がずれたり、固定が緩んだりすると、シャフトが急に回転し、手元が挟まれる危険があります。誤った手順で作業を進めると重大なケガにつながる恐れがあり、安全に扱うには専門的な知識と経験が必要です。

    DIYでは対応できない理由

    シャッターのバネに不具合が起きた際、自分で修理しようと考える方もいるでしょう。しかし、構造の複雑さや安全面の問題から、DIYでは対応しないほうが賢明です。ここでは、素人作業の限界と、業者に依頼すべき理由を説明します。

    専用工具と施工知識が必要

    スプリングシャフトの分解や調整には、巻き上げ棒やプーリー固定具といった専用工具が必要です。専用工具は強い力がかかったバネを安全に扱うために設計されており、市販の一般的な工具では代用できません。固定が不十分なまま作業を進めると、シャフトが急に回転し、ケガや事故に発展する恐れがあります。安全に作業するには、工具の扱いだけでなく、シャフトの構造や張力の方向を理解した上で手順を進める知識も欠かせません。施工手順を誤ると、わずかなズレが大きな事故の要因となるため、専門的な経験がない状態での作業は非常に危険です。

    シャッターの型番・構造によって対応が異なる

    シャッターに使われるバネの種類やシャフト径は、メーカーや機種ごとに違いがあります。型番が特定できないまま修理を試みると、使用されているバネの種類が判断できず、必要な部品や調整角度を読み違える恐れがあります。誤った手順が重なると巻き上げの力が合わず、シャッターが途中で止まるなどの不具合につながるでしょう。メーカーや機種ごとの構造の違いに対応するには、製品や仕様の理解が欠かせません。

    保証対象外になるリスク

    自力でシャッターを分解・修理すると、メーカー保証の対象外となる場合があります。保証が適用されない状態では、修理箇所に不具合が起きても無償対応が受けられず、費用を全額負担しなければなりません。誤った作業で状態が悪化すると、最悪は本体の交換が必要になり、負担がさらに大きくなるでしょう。

    業者によるシャッターのバネの外し方と点検の流れ

    DIYでは対応が難しいシャッターのバネ修理は、専用工具と安全対策を備えた専門業者が慎重に作業を進めます。ここでは、業者が実施する主な工程を紹介します。

    STEP1.シャッターカバーを取り外す

    シャッター上部のカバーを外し、内部のシャフトやプーリーの状態を確認します。メーカーによってビスの位置や形状が異なるため、構造に合わせた取り外しが求められます。

    STEP2. ガイドレールを取り外す

    シャッターの左右にあるガイドレールを取り外し、スラットを巻き上げ機構から切り離します。固定方法は溶接・ビス止めなど機種によって異なるため、構造に応じて適切な手順を選びます。

    STEP3.スプリングシャフトを固定する

    スプリングシャフトには強い張力がかかっているため、プーリー固定具などの専用器具で確実に保持します。固定が不十分な状態では、巻き戻しの際にシャフトが動き、作業に支障が出るからです。

    STEP4.バネの張力をゆるめる

    巻き上げ棒を使い、バネの張力を少しずつゆるめます。負荷が残っている状態で急に回すと、シャフトが跳ねる恐れがあるため、角度と回転数を一定に保ちながら作業を進めます。

    STEP5.バネを取り外す・交換する

    バネの張力が十分にゆるんだら取り外し、新しいバネと交換します。状況によっては、シャフトやプーリーも合わせて交換する場合があります。

    シャッターをメンテナンスしてバネの寿命を延ばす方法

    シャッターのバネは、日々の開閉によって負荷を受け続け、徐々に摩耗やサビが進む部品です。ただし、普段から適切なメンテナンスを行えば、劣化の進行を遅らせ、不具合の発生を減らせます。ここでは、自分で実施できるお手入れから、プロに任せるべき点検まで、具体的な方法を紹介します。

    水洗いで汚れやホコリを除去

    日常的なお手入れとして、シャッター表面やスラットに付着した砂・ホコリ・排気ガスなどの汚れを落としましょう。軽く水洗いして汚れを流し、乾いた布で拭き取るだけでも、負担の軽減につながります。スラットやレールに汚れが蓄積していると、余計な抵抗が生じ、巻き戻しの動きが乱れる恐れがあるため、定期的な洗浄が効果的です。

    シリコンスプレーの塗布

    定期的なメンテナンスとして、ガイドレールにシリコンスプレーを使用すると、上下動の摩擦が軽くなり、開閉時の負担を抑えられます。シリコンスプレーを塗布する前に、レールに付着した砂やホコリを取り除いておくと、余計な抵抗を防げます。軽く潤滑しておくと動きが滑らかになり、バネの負荷を抑える効果が期待できるでしょう。

    業者による定期的なメンテナンス・点検を受ける

    プロのメンテナンスでは、外観だけでは判断できないバネの劣化や張力の状態を、専門的な知識に基づいて確認します。特に、使用年数が長いシャッターや、開閉回数が多い環境では摩耗が進みやすく、日常のお手入れでは異常に気付けません。年1回程度、業者による点検やメンテナンスを受けておくと、部品交換の時期や調整の必要性を早めに把握できます。

    シャッターのバネ修理・交換にかかる費用相場

    バネの不具合や劣化を放置すると、周囲の部品に負担がかかり、修理範囲が広がる場合があります。状態が悪化するほど費用が増えるため、早い段階での対処が欠かせません。ここでは、バネの張力調整・交換を含む費用の目安と、費用が高くなる主な要因を説明します。

    バネの張力調整・巻き直し

    バネの張力がわずかに弱っただけであれば、張力の再調整や巻き直しによって動作が改善するケースが多いです。調整では、シャフトを固定しながら巻き戻し量を整え、本来の力が均等に伝わる状態に戻します。部品交換を伴わない場合は、費用は2万円~3万円前後が相場です。

    スプリングシャフトの交換

    スプリングシャフトごと交換する場合は、費用が高くなる傾向があります。交換にかかる費用は、10万円程度が相場です。

    費用が高くなる要因と注意点

    修理費用は、シャッターの構造や設置場所・破損状況など、さまざまな条件によって大きく変動します。費用が高くなる要因を確認しましょう。

    シャッターのサイズ・重量が大きい

    大型のシャッターはバネにかかる力が大きく、強度の高いシャフト・バネを使用しています。重量があるほど修理時の安全確保に人員が必要となり、作業時間も増えるため、工賃が高くなるでしょう。

    部品交換が複数発生する

    バネの劣化が進むと、プーリーや軸など、周囲の部品にも影響が及びます。劣化を放置したまま使用すると部品同士の摩耗が広がり、複数の部品交換が必要になるケースも珍しくありません。部品の交換点数が増えるほど、修理費用の総額も大きくなります。

    設置場所の作業条件が悪い

    シャッターが高い位置にあり、脚立では手が届かない場合は、作業用の足場を組む作業が追加されます。足場の設置には準備時間と人員の確保が必要となり、工事全体の費用が増えます。さらに、高所作業では安全対策も増えるため、通常より費用が高くなるでしょう。

    電動シャッター

    電動シャッターは、開閉モーターや制御盤などの電気部品を備えており、手動式よりも構造が複雑です。故障の内容によっては、モーターやリミットスイッチ、基板などの電気部品を交換する必要があり、部品代が高額になる場合があります。部材点数が多く、取り扱う範囲も広いため、手動シャッターに比べて修理費用が大きくなるでしょう。

    緊急対応や即日工事の希望がある

    シャッターが動かない、途中で止まるなど、早急な対応が必要な状況では、即日修理を依頼するケースもあるでしょう。即日対応は通常の工事とは別に特急料金が加算されたり、深夜や早朝の依頼では割増費用が発生したりする場合があります。依頼前に、対応可能な時間帯と追加料金の有無を確認しておくと安心です。

    シャッターのバネ修理・交換は99シャッターにお任せください

    シャッターのバネは、開閉の動きを支える重要な部品です。劣化や損傷が発生すると、不具合や事故の原因になります。また、スプリングシャフトの調整・交換作業には強い張力がかかっており、わずかな判断ミスが作業者のケガや機器の破損につながる恐れがあります。

    シャッターのバネ修理は、種類や大きさを問わずDIYでの対応が非常に危険です。DIYでの修理は、かえって状態を悪化させてしまうケースも少なくありません。場合によっては、シャッター全体の交換が必要になることもあります。一般的な手動シャッターであっても、内部構造には専門的な知識と工具が必要で、個人での対応はリスクが高まります。

    こうしたシャッターの不具合に関するご相談は、99シャッターにお任せください。99シャッターでは、無料の現地調査と見積もりから修理・交換まで、一貫して対応しています。手動・電動どちらのシャッターにも対応可能で、国内主要メーカーに精通したスタッフが、現場ごとの仕様や状態に合わせて適切な施工をしています。

    バネの不具合に気づいたら、放置せずに早めの対応が大切です。シャッターを安心して使い続けるためにも、シャッターの修理・交換は、信頼と実績のある99シャッターへぜひご相談ください。

    シャッターのバネの外し方と危険性|自分で修理するリスクと費用相場を解説

    【筆者・監修者企業】

    99シャッター(合同会社BUKAS)

    弊社はシャッターを扱って15年以上の実績をもつ代表をはじめ、豊富な工事実績があります。
    窓シャッター・車庫シャッター・工事シャッターではメーカー全面協力により信頼と安心安全の施工を実現し、メーカー保証付きで格安で施工いたします。
    私たち99シャッターは、シャッター修理・交換・取付に関するお役立ち情報を発信しております。

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