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    手動シャッターの開閉が重く感じるようになる原因は、経年劣化だけではありません。スプリングの張力が弱まると補助力が低下し、潤滑が不足すると摩擦が増えるため、動きが鈍くなります。さらに、レールの歪みや異物の詰まりによってスラットの動きが妨げられると、開閉時に余計な力が必要になる場合もあります。こうした状態を放置すると、内部部品の損傷やシャッター全体の故障につながる可能性があるため、早めの点検と修理が欠かせません。この記事では、シャッターが重くなる原因と修理が必要な状態の見極め方から、専門業者に依頼すべきタイミングまで詳しく解説します。

    シャッターが重くなる主な原因

    シャッターの開閉が以前よりも重く感じられる場合、単なる経年劣化だけでなく、複数の要因が複雑に絡み合っている可能性があります。ここでは、実際に現場で多く見られる代表的な原因を紹介します。

    スプリングの劣化

    手動シャッターに搭載されているスプリングは、開閉時の補助力を担う重要な部品です。使用年数の経過とともに張力が低下すると、シャッターを持ち上げる際に必要な力が増し、操作が重く感じられるようになります。スプリングの劣化が進行すると、開閉途中で止まったり、手を離すと急に落下したりといった、危険な症状が現れることもあるでしょう。さらに、開閉時の異音や、シャッターが途中で引っかかるような動きを見せる場合も、スプリングの不具合が疑われます。こうした症状は徐々に進行するため、初期段階では見逃されやすい傾向があります。

    潤滑不足

    シャッターの開閉部には、スムーズな動作を支えるために潤滑剤が使用されています。ガイドレールや回転軸の潤滑が不足すると、部品同士の摩擦が増加し、動きが重く感じられるようになるのです。潤滑不足が進行すると、金属が擦れるようなきしみ音が発生したり、シャッターがガタつくような不安定な動きになったりする場合があります。特に、長期間メンテナンスを行っていないシャッターや屋外設置で砂埃が多い環境では、潤滑剤の劣化や乾燥が早まり動作不良の原因となります。

    レールの歪みや異物の詰まり

    シャッターのガイドレールは、スムーズな開閉を支えるために、正確な位置と形状が保たれていなければなりません。長年の使用や外部からの衝撃によってレールが歪むと、シャッターの動きに引っかかりやズレが生じるでしょう。また、レール内部に詰まった砂や小石、落ち葉などの異物も、シャッターが途中で止まったり、異音を発したりする原因になります。レールの歪みや異物の混入を放置すると、シャッター本体や駆動部に負荷がかかり、さらなる故障につながる恐れがあります。

    シャフトや軸受け部の摩耗

    シャッターの開閉を支えるシャフトや軸受け部は、開閉に合わせて回転を続けるため、使用年数の経過とともに摩耗が進行します。潤滑が行き届いていない期間が長くなると摩耗の速度が早まり、金属の劣化が重なるとさらに負担が大きくなるでしょう。回転が滑らかでなくなると軸が引っかかり、振動や金属音が出始めます。摩耗が進んだ軸は精度が落ち、一定の力で操作しても均一に動かなくなり、開閉が安定しにくくなります。

    設置環境による劣化の進行

    シャッターは設置環境の影響を受けやすく、特に屋外や海沿いの地域では注意が必要です。湿気や塩分を含んだ空気や、砂埃などが部品に付着すると、金属部分の腐食や潤滑剤の劣化が進みやすくなります。こうした環境下では、シャッターの動作が重くなったり、異音が発生したりするケースが多く見られます。劣化が進行すると、部品の破損や開閉不良につながり、日常の使用に支障をきたしかねません。

    無理な操作や衝撃による変形

    シャッターは、均等な力でスムーズに開閉できるよう設計されていますが、強引な操作や車両・荷物の衝突が加わるとシャッター本体や部品が変形し、正常に動作できなくなります。スラットやレールが歪むと、シャッターがレールに沿って動かず、開閉時に引っかかりや異音が発生するでしょう。衝撃が繰り返されると変形が進行し、シャッター全体の動作に深刻な支障が生じます。

    シャッターが重いときのセルフチェック方法

    シャッターの動きに違和感があるときは、まず異常が起きていないかを確認してみましょう。小さな変化に早めに気づければ、故障の予防にもつながります。

    開閉時の音や動きの違和感

    シャッターを開閉する際に、「キーキー」「ガタガタ」といった異音がしたり、途中で引っかかったりするような感覚がある場合は、部品の摩耗や潤滑不足によって、シャッターの一部に負荷がかかっている可能性があります。こうした症状を放置すると、動作不良が進行したり、部品が破損したりする恐れがあるため、異常に気づいた時点で専門業者に相談するのが安心です。異音の種類によって原因は異なり、「キーキー」という高音は潤滑不足、「ガタガタ」という振動音は部品のゆるみや変形が疑われます。音が発生する位置やタイミングを意識して観察しておくと、原因の特定がしやすくなり、状況を正確に伝える際にも役立ちます。

    スラットやレールの確認

    シャッターのスラットやガイドレールに、歪み・汚れ・異物の詰まりがないかを確認しましょう。特に、レール部分に砂や小石などが入り込んでいると、スムーズな動作を妨げる原因になります。スラットの一部が曲がっていたり、レールから外れかけたりしている場合も、開閉時の引っかかりや異音につながります。確認する際は、シャッターを少しずつ動かしながら、「上下の動きに違和感がないか」「左右のレールに異常がないか」を丁寧に観察してください。破損や歪みがある状態で開閉を続けると、部品に余計な負荷がかかり、動作不良につながりかねません。

    バネの動作不良の兆候

    手動シャッターで、開閉が極端に重くなったり、途中で止まったりする症状が見られる場合は、スプリングシャフト内のバネに不具合が生じている可能性があります。バネはシャッターの巻き上げを補助する重要な部品で、劣化や破損が進むと、正常な動作が保てなくなります。バネは内部にあるため目視での確認はできませんが、動きの変化や負荷のかかり方から兆候の察知が可能です。こうした症状がある状態で無理に操作を続けると、シャフトや周辺部品にまで影響が及ぶ恐れがあるため、専門業者への点検・修理依頼が必要です。

    自宅でできるシャッターのメンテナンス方法

    シャッターの動きが重くなる原因は、部品の劣化や摩耗だけではありません。レールに詰まったゴミや金属部のサビ、潤滑不足などによって、スムーズに開閉できないケースもあります。ここでは、自宅で対応できる基本的なメンテナンス方法を紹介します。

    レールやスラットの清掃

    レールやスラットにほこりや小石、落ち葉などが詰まっていると、シャッターがスムーズに動作しなくなります。特に屋外に面したシャッターは、風や雨によって汚れが溜まりやすいため、定期的な清掃が欠かせません。掃除の際は、柔らかい布やブラシを使って、レールの内側やスラットの端部を丁寧に拭き取りましょう。細かいゴミは掃除機で吸い取ると効果的です。水拭きをする場合は、水分が残らないようから拭きで仕上げれば、サビの予防にもつながります。

    潤滑剤の塗布

    摩擦によってシャッターの動きが重くなる場合は、潤滑剤を使うと動きが軽くなり、開閉がスムーズになります。ガイドレールや回転部にシリコン系の潤滑剤を軽く吹きかけた後、シャッターを数回開閉してなじませてください。油性タイプはホコリを吸着しやすく、潤滑効果が落ちるだけでなく、動作不良の原因にもなります。使用する際は、必要な箇所にだけ控えめに塗布し、余分な液が残らないよう注意しましょう。

    サビの除去と防止

    金属部にサビが発生すると、開閉時の異音や引っかかりの原因になります。軽度なサビであれば、ブラシや布でこすって落とし、防錆スプレーを塗っておくと再発を防げます。サビが広範囲に広がっていたり、部品が変形したりしている場合は、無理に削らず専門業者に相談してください。雨天後に水分を拭き取るなど、日頃からこまめに手入れしておくと、サビの発生を抑えられます。

    修理が必要な症状と業者に依頼すべきタイミング

    清掃や潤滑剤の塗布といった基本的なメンテナンスを行っても動きが改善しない場合は、内部の部品が劣化している可能性があります。ここでは、修理の目安となる代表的な症状と、それぞれに対応する判断基準をご説明します。

    スプリングの調整・交換が必要な場合

    シャッターの開閉を補助するスプリングは、長年の使用によって張力が低下します。張力が弱まると、シャッターが重く感じられるだけでなく、途中で止まったり、手を離すと急に落ちたりする危険な動作が見られるようになります。動きが不安定な状態が続く場合は、スプリングの調整や交換が必要です。特に、開閉の途中でバランスを崩すような動きがあるときは、早急な点検を検討してください。

    シャッタースラットの交換が必要な場合

    スラットにへこみや歪みが生じていたり、レールから外れていたりすると、シャッターの動きが不安定になり、開閉時の異音や不具合が見られるようになります。スラットの変形は、台風や飛来物の衝突、無理な操作などが原因で起こることが多く、放置すると他の部品にも負荷がかかります。へこみや歪み、レールからの外れが見られる場合は、スラット自体の交換が必要です。

    中柱の交換が必要な場合

    中柱は、シャッターの中央に位置し、左右のスラットを支える重要な構造部材です。中柱の曲がりや固定不良、接合部のゆるみがあると、シャッター全体の安定性が損なわれます。開閉時にガタつきや引っかかりが生じるほか、防犯性にも影響が出るでしょう。地震や衝突などで中柱に歪みが生じている場合は、見た目以上に内部まで損傷していることもあるため、早めに業者へ修理や交換を依頼しましょう。

    重いシャッターを放置するリスク

    「まだ動くから大丈夫」と思って重いシャッターを使い続けていると、内部の劣化が進行し、思わぬトラブルにつながることがあります。ここでは、放置によって生じやすい主なリスクを紹介します。

    スプリング破損による落下事故

    スプリングはシャッターの動きを補助する重要な部品ですが、使用を重ねるうちに金属疲労が進行し、張力が限界を超えると突然破断する恐れがあります。そのまま落下して人や車両に被害を及ぼすケースもあり、特に重量のある手動シャッターでは深刻な事故につながりかねません。

    スラットやレールの劣化による開閉不能

    スラットやレールの劣化を放置すると、シャッターが途中で止まったり、最後まで開かなくなったりすることがあります。開閉不能の状態が続くと、日常の使用に支障をきたすでしょう。損傷が広がれば、スラットやレールの交換も避けられません。

    修理費用の高額化

    初期段階であれば部品交換や調整で済む不具合も、放置することで複数箇所の故障に発展し、修理では対応できなくなります。状態が悪化すればシャッター全体の交換が必要となり、費用負担は避けられません。

    防犯性・安全性の低下

    開閉が不安定なシャッターは、施錠が甘くなったり、隙間が生じたりすることで防犯性が損なわれます。特に店舗や倉庫では、外部からの侵入を許す要因となり、盗難や放火などの被害を招く危険も避けられません。

    シャッターが重い場合の修理・交換費用の相場

    修理費用はシャッターの種類や故障の程度によって異なります。ここでは、重くなったシャッターに対して想定される、主な修理・交換費用の目安を紹介します。

    スプリングの調整・交換費用

    スプリングの張力が弱まると、開閉補助力が失われてシャッターが重くなります。調整のみで済む場合は2万円〜3万円程度ですが、部品の劣化や破損が進んでいると交換工事が必要となり、費用は7万円〜10万円程度かかります。

    スラットの修理・交換費用

    スラットのへこみや歪みは、レールとの摩擦を生み、開閉時の重さを引き起こします。軽微な損傷であれば、スラット1枚あたり数千円〜1万円程度で修理が可能ですが、変形や損傷が広範囲に及ぶ場合は全体交換が必要となり、費用は15万円以上かかります。

    中柱の交換費用

    中柱の変形や固定不良は、シャッターの安定性を損ない、開閉時に引っかかりや摩擦が生じます。不具合が明らかな場合は交換が必要となり、費用は3万円〜4万円程度かかります。

    シャッター全体の交換費用

    部品の不具合が複数箇所に及ぶ場合は、部分的な修理を繰り返すよりも、シャッターを交換したほうが結果的にコストを抑えられるケースがあります。
    シャッターの全交換にかかる費用は、手動式で20万円〜30万円程度、電動式で50万円以上が目安となり、サイズや仕様によって変動します。

    重いシャッターの修理は99シャッターにご相談ください

    シャッターが重くなる原因には、スプリングの張力低下やスラットの変形、中柱の不具合などがあり、放置すると落下事故や開閉不能につながります。修理費用は部品や故障の程度によって異なりますが、早期に対応すれば、高額な交換工事を避けられるでしょう。99シャッターでは、あらゆるメーカーのシャッター修理に対応し、現地調査から修理・交換までを一貫して実施しています。現地調査・見積もりは無料で、法人・個人を問わず、店舗・倉庫・住宅など、幅広い現場での施工実績も豊富です。「最近シャッターが重い」「開閉に違和感がある」「修理費用が気になる」と感じたら、まずはお気軽に99シャッターへご相談ください。

    シャッターが重い原因と対処法|修理が必要な症状を解説

    【筆者・監修者企業】

    99シャッター(合同会社BUKAS)

    弊社はシャッターを扱って15年以上の実績をもつ代表をはじめ、豊富な工事実績があります。
    窓シャッター・車庫シャッター・工事シャッターではメーカー全面協力により信頼と安心安全の施工を実現し、メーカー保証付きで格安で施工いたします。
    私たち99シャッターは、シャッター修理・交換・取付に関するお役立ち情報を発信しております。

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