店舗や倉庫、工場やビル設備などで使われているシャッターは、日常的に動いていれば問題ないと思われがちです。しかし、見えない部分で不具合が進行している恐れもあり、点検を怠ると事故やトラブルにつながりかねません。特に防火シャッターは、建築基準法により年1回以上の点検が義務付けられており、未実施のままでは法令違反に該当します。この記事では、点検が必要なシャッターの種類や、法定点検と通常メンテナンスの違いを紹介します。併せて、費用相場や点検を怠った場合のリスクについて分かりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
点検が必要なシャッターの種類と義務の有無
シャッターの点検が必要かどうかは、設置目的や用途によって扱いが異なります。防火を目的として設置されているシャッターには、法律に基づいた点検が定められている一方、ガレージや店舗などで使われる一般的なシャッターには、法的な義務はありません。ここでは、法定点検が必要なシャッターと、点検が推奨されているシャッターの違いを解説します。
法定点検が義務付けられている防火シャッター
火災時に炎や煙の拡大を防ぐ目的で設置される防火シャッターや防煙シャッターには、建築基準法に基づき、定期的な検査と報告が義務として定められています。対象となるのは、特定行政庁が指定する劇場や病院、ホテルなど、一定の規模を超える建物に設置されている、火災発生時の被害拡大を防ぐ役割を担う防火設備です。防火シャッターや防煙シャッターの検査を実施できるのは、一級建築士や二級建築士のほか、所定の講習を修了した防火設備検査員に限られます。建物の所有者や管理者は、有資格者に検査を依頼し、原則として年1回以上の頻度で点検し、結果を報告書として提出しなければなりません。過去には、シャッターによる挟まれ事故や、火災時に作動しなかった事例が報告されてきました。こうした経緯を踏まえ、現在の法定点検では、開閉動作の確認に加え、防火設備として求められる安全機能が適切に作動するかどうかについても検査が行われます。
法的義務はないが点検が推奨される一般シャッター
一般家庭のガレージや店舗、小規模な倉庫や工場などで使用されている軽量シャッターには、建築基準法に基づく定期検査や報告の義務はありません。点検の実施については、所有者の判断に委ねられていますが、一般用シャッターについても、使用状況に応じた点検が必要とされています。シャッターは重量のあるスラットを上下に動かす構造で、内部にはバネや巻き取り部などの部品が組み込まれており、日常的に使用を重ねると、部品の摩耗や調整のズレが生じるからです。点検せずに使用を続けていると、開閉時の異音や動作の重さといった不具合を招きます。状態によっては、落下や閉じ込めといった事故につながるケースも否定できません。法的な義務はありませんが、安全性や使用環境を維持する観点から、シャッター修理業者による定期的な点検が推奨されています。
法定点検と通常メンテナンスの違いと内容
シャッターの法定点検とメーカーなどが推奨する通常メンテナンスでは、実施する目的や確認する箇所が異なります。法定点検は、建築基準法や関連法令に基づき、防火設備として設置されたシャッターが、火災発生時に確実に機能するかどうかを確認する検査です。安全確保と法令順守を目的とし、検査内容や判定基準も国が定めた基準に沿って行われます。一方、通常メンテナンスは、日常使用による不具合や劣化を早期に把握し、開閉動作を安定させるための点検・整備を指します。故障の予防や部品の状態を確認し、シャッターを支障なく使い続けるための管理が主な目的です。同じ点検でも、求められる役割や確認範囲には大きな違いがあります。
法定点検の検査項目と判定基準
法定点検では、シャッターが防火設備としての性能を満たしているかどうかを、検査基準書に基づいて判定します。確認するのは、火災時の自動閉鎖動作や安全に降下する性能、人身事故を防ぐ装置の作動状況などです。主な検査項目を紹介します。
自動閉鎖装置の作動確認
防火シャッターや防煙シャッターは、火災発生時に人が操作しなくても、自動で閉鎖するよう設計されています。法定点検では、火災時の自動閉鎖動作、降下時の速度や安定性、人身事故を防ぐ装置の作動状況を中心に確認します。感知器が反応しない、信号が出ていてもシャッターが作動しない場合、防火設備としての性能を満たしていないと判断されます。
降下時間の計測
シャッターが閉鎖を開始してから全閉するまでに要する時間も、重要な検査項目の一つです。点検時には、ストップウォッチなどを用いて降下時間を計測し、規定の範囲内に収まっているかを確認します。降下が極端に速い場合は避難中の人に接触する危険があり、時間がかかりすぎると煙や炎の遮断が間に合わない恐れがあるため、基準に沿った速度が保たれているかどうかが判定対象となります。
危害防止機構の性能検査
法定点検では、人身事故を防ぐための安全装置についても確認が行われます。座板スイッチや障害物検知装置などが設置されている場合、降下中に人や物を挟んだ際に停止または反転上昇するかを実際の動作で検査します。装置が作動しない状態では、挟まれ事故につながる危険があり、不適合と判定されるため是正対応が必要です。
通常点検の整備項目と作業工程
通常点検では、日常使用に支障が出ていないかどうかを中心に確認します。主な作業内容は、部材の状態確認や動作の滑らかさの確認、消耗部品の調整や清掃などです。
スラットとガイドレールの清掃・潤滑剤の塗布
シャッターの開閉動作に直接影響するのが、スラットとガイドレールの状態です。レール内部には、砂やほこりが溜まりやすく、放置すると引っ掛かりや異音の原因になります。通常点検では、レール内の汚れを取り除いた上で、指定された潤滑剤を塗布し、摩擦の軽減を図ります。
スラットのズレや変形の確認
シャッターを長期間使用していると、スラットが左右にずれたり、部分的に変形したりするケースが少なくありません。ズレた状態で使用を続けると、巻き取り時にシャッターボックスの内部で干渉し、動作不良や異音につながります。点検時には、スラットの並びを確認し、必要に応じて位置を調整します。
駆動部とバランスの調整
手動シャッターを開閉する際の重さに影響するのが、スプリングシャフトのバランスです。バネの力が弱まると、開閉時に過度な力が必要となり、使用者の負担が大きくなります。電動シャッターの場合は、モーターの動作音や停止位置を制御するリミットスイッチの状態を確認し、開閉が途中で止まらないかどうかを点検します。定期的に調整すれば、日常使用におけるトラブルの発生を抑えられるでしょう。
シャッターの法定点検の費用相場と内訳
法定点検の費用は、基本料金と枚数に応じた技術料、報告書作成費で決まります。それぞれの費用の目安と内訳を解説します。
点検基本料と技術料
基本料金の相場は、2万円から3万円程度です。現場へ出向くための出張費や諸経費が含まれており、シャッターの台数に関わらず1回の点検ごとに発生します。また、基本料金に加え、シャッター1面ごとの検査費用がかかります。手動シャッターであれば1面あたり5,000円、電動シャッターでは8,000円が目安です。
行政報告書の作成代行費用
シャッターの法定点検では、現場での検査作業に加え、特定行政庁へ提出する定期検査報告書の作成が必要です。報告書の作成および提出代行にかかる費用は、1万5,000円から2万円程度が相場です。金額には資格保有者による書類作成費や、自治体の窓口へ提出するための手数料が含まれます。提出先となる特定行政庁が複数ある場合は、提出先ごとに費用が加算されるケースもあります。
現場環境による追加コスト
シャッターの設置環境や作業する条件によっては、基本料金や検査費用とは別に追加費用が発生します。例えば、高所に設置されているシャッターでは、高所作業車や足場の使用が必要となり、1日あたり2万円程度かかります。また、夜間・休日の点検対応が求められる場合は、通常とは異なる作業条件となるため、割増料金が適用されるケースがほとんどです。
シャッターの点検を怠った場合のリスク
点検やメンテナンスを後回しにしていると、単なる動作不良だけでなく、人命に関わる事故や高額な修繕費用の発生につながる恐れがあります。ここでは、シャッターの点検を怠った場合に生じるリスクを解説します。
ブレーキ不良による急降下の危険
電動シャッターのブレーキ装置や手動シャッターのスプリングは、経年劣化により制動力が徐々に低下します。摩耗が進んだ状態で使用を続けると、開閉中に支えきれなくなったシャッターが自重で落下する事故が起きかねません。数百キロの重量があるシャッターの急降下は、挟まれ事故などの重大な人身災害を招く危険があります。
火災時の作動不良と被害拡大
防火シャッターは、火災の熱や煙を感知して自動閉鎖し、炎を遮断する役割を担います。点検不足により可動部に錆が発生していたり、ガイドレールに異物が詰まっていたりすると、いざという時に正常に作動しません。シャッターが完全に閉まらないと、被害の拡大や避難の遅れにつながります。
老朽化による防犯性能の低下
シャッターは店舗や倉庫などの資産を守るための重要な防犯設備です。スラットが変形して隙間ができたり、鍵のかかりが悪くなったりした状態を放置するのは危険です。施錠が不完全な状態では、バールなどによるこじ開け被害に遭うリスクが高まり、防犯設備としての機能を果たせなくなります。
点検不足による寿命短縮と価値低下
定期的な清掃や潤滑剤を塗布しない場合、錆の進行や部品の摩耗が早まります。通常であれば15年から20年使用できるシャッターでも、適切な管理がなければ数年で交換が必要になるケースも珍しくありません。設備の著しい劣化は、テナントビルや賃貸物件において、建物の資産価値を下げる要因にもなります。
故障の頻発と修繕コストの増大
異音や引っ掛かりといった小さな不調を放置すると、モーターやシャフトといった主要部品の故障を招きます。緊急修理や全交換が必要になれば、定期点検にかかる費用を大幅に上回る修繕コストが発生してしまいます。軽微な不具合のうちに対処すれば、長期的なコスト削減につながるでしょう。
法令違反による罰則と管理者の責任
防火シャッターや防煙シャッターの法定点検は、建築基準法に基づき実施が義務付けられています。点検義務に違反した場合、建物の所有者や管理者にどのような罰則や責任が及ぶのかを解説します。
100万円以下の罰金刑と行政処分
報告義務を怠ったり虚偽の報告をしたりすると、建築基準法により100万円以下の罰金が科せられます。罰金だけでなく、行政庁から建物の使用禁止や制限を命じられる可能性もあります。建物が使えなくなれば、事業運営に甚大な影響が出るでしょう。
重大事故発生時の損害賠償と刑事責任
点検不備で事故が起きれば、被害者への多額の損害賠償はもちろん、業務上過失致死傷罪として刑事責任を問われます。管理者が逮捕・起訴される可能性もあり、法的な責任は極めて重いものです。
施設運営における社会的信用の失墜
事故の発生は、建物や運営企業に対する社会的な信用を失墜させます。安全管理への不信感はテナントの退去や客足の減少を招き、建物の運営や経営に多大な悪影響を及ぼします。
シャッターの点検は99シャッターにお任せください

シャッターの安全を守るには、法定点検と通常メンテナンスの両方が欠かせません。特に防火シャッターは、火災感知器との連動や閉鎖動作、ブレーキ機構などを年1回以上点検し、所定の様式で報告することが建築基準法で義務付けられています。点検を怠れば、事故や法令違反、修繕コストの増大といったリスクにつながります。法定点検や防災点検の依頼先をお探しの方は、99シャッターにご相談ください。99シャッターには防火設備検査員が複数名在籍しており、防火シャッターの法定点検に加え、消防設備の防災点検にも対応可能です。シャッターの点検やメンテナンスに関することなら、どうぞお気軽に99シャッターまでお問い合わせください。
【筆者・監修者企業】
99シャッター(合同会社BUKAS)
弊社はシャッターを扱って15年以上の実績をもつ代表をはじめ、豊富な工事実績があります。
窓シャッター・車庫シャッター・工事シャッターではメーカー全面協力により信頼と安心安全の施工を実現し、メーカー保証付きで格安で施工いたします。
私たち99シャッターは、シャッター修理・交換・取付に関するお役立ち情報を発信しております。



