
シャッターは、日々の風雨やホコリにさらされ、気づかないうちに汚れや劣化が進んでいきます。定期的に掃除をすることで、見た目の美しさだけでなく、スムーズな開閉や故障の予防にもつながります。しかし、「どこまで自分で掃除できるの?」「電動シャッターも同じ方法でいいの?」といった疑問を持つ方も多いはずです。この記事では、シャッター掃除の基本や自分でできるお手入れの方法から、注意点やプロに任せるべき判断基準まで、わかりやすく解説します。
シャッター掃除の必要性
住宅や店舗のシャッターは、外部環境にさらされる時間が長く、さまざまな汚れが蓄積しやすくなっています。ひどい汚れは、見た目が悪くなるだけでなく、動作不良や故障の原因にもなりかねません。
ここでは、シャッターが汚れる原因や汚れが与える影響と合わせて、掃除によって得られるメリットをご説明します。
シャッターが汚れる主な原因とは?
シャッターは屋外に設置されているため、環境によってさまざまな汚れが付着しやすくなります。シャッターが汚れる原因を見ていきましょう。
砂ぼこり・土埃
シャッターは屋外に設置されているため、風に舞った砂や土埃がスラットの表面や隙間に付着しやすくなります。特に、スラットの重なり部分やガイドレールの内側には、細かい汚れがたまりやすく、放置すると動作不良を招きかねません。
排気ガス・油煙
交通量の多い道路沿いや都市部では、排気ガスや空気中の油煙によって、シャッターの表面に黒ずみや油膜が付着することがあります。こうした汚れはベタつきや油膜の原因となり、乾いた布では落としにくくなるため、定期的な水拭きや洗剤の使用が必要です。
潮風
沿岸地域では、空気中に含まれる塩分がシャッターに付着しやすくなります。塩分は金属の腐食を促進する性質があり、長期間放置するとサビや劣化の進行を早めてしまいます。海風が当たる環境では、こまめな清掃と点検が欠かせません。
花粉・黄砂
春から初夏にかけては、花粉や黄砂が風に乗って広がります。花粉や黄砂の微粒子は静電気でシャッター表面に付着しやすく、一見きれいに見えても薄く積もっていることがあります。季節ごとの汚れに応じた掃除を意識することが重要です。
雨水のはね返り・泥
地面に近いシャッター下部では、雨水とともに泥がはね上がりやすくなります。特に、梅雨時や降雨後は汚れが広がりやすく、乾燥するとこびりついて落としにくくなるため、タイミングを見て早めに掃除することが効果的です。
汚れがシャッターに与える悪影響
蓄積した汚れは、シャッターの見た目を損なうだけでなく、機能面にもさまざまな悪影響を与えます。たとえば、スラットやレールに汚れがたまると、開閉時に引っかかりや異音が発生しやすくなるでしょう。
また、湿気を含んだ汚れはサビやカビの発生を促し、金属の腐食や劣化を進めてしまいます。特に、電動シャッターの場合は、モーターやセンサー部分にも影響が及ぶおそれがあるため、早期の対応が求められます。
掃除で得られるメリット
定期的な掃除によって、シャッターの状態を良好に保ちやすくなります。
汚れを除去することでスムーズな開閉が維持され、機械的な負荷が軽減されます。部品の摩耗や故障リスクを抑え、長期間にわたって使用できる状態を保てることが、掃除の大きなメリットです。
さらに、シャッターの表面が清潔に保たれることで美観も向上し、建物全体の印象も良くなります。掃除は見た目と機能の両面でメリットがある、コストパフォーマンスの高いメンテナンス方法です。
シャッター掃除の頻度とタイミング
シャッターをきれいな状態に保ち、故障を防ぐためには、適切な頻度での掃除が欠かせません。ここでは、掃除のタイミングを見極める目安と、見逃しがちなサインについてご説明します。
掃除の推奨頻度とタイミング
本格的な掃除は、年に1~2回程度を目安に行うとよいでしょう。ただし、海沿いや工場地帯、交通量の多い道路沿いのように汚れが付きやすい環境では、年に1~4回程度の清掃が望まれます。春の花粉や夏の潮風、秋の落ち葉や冬の砂埃など、季節ごとの汚れにも注意が必要です。
また、から拭きや埃払いといった軽い掃除については、月1回程度の頻度で取り入れることをおすすめします。シャッターを上げ下げする際にホコリを見つけたり、雨あがりで泥はねが気になったりしたときも、放置せずその場で簡単に拭き取っておくと、頑固な汚れを防げます。
シャッターは日々使用する設備だからこそ、こまめな手入れを習慣づけることで、見た目も機能も良好に保ちやすくなるでしょう。
見逃しがちな「掃除のサイン」
シャッターの掃除が必要かどうかは、見た目だけでなく、使用時の感覚からも判断できます。たとえば、「開閉時に異音がする」「動きが重くなる」「スムーズに上げ下げできない」といった症状が見られたら、レールやスラットに汚れがたまっている可能性があります。
また、そこまで汚れていないように見えても黒ずみやくすみ、表面の粉っぽさが出てきた場合は、掃除のサインです。特に、電動シャッターでは、センサーや駆動部に汚れが蓄積すると、誤作動や故障を引き起こすおそれもあるため、早めの対応が求められます。
自分でできるシャッター掃除のやり方
シャッターの掃除は、専門業者に任せなくても、自宅にある道具で十分に対応できる場合もあります。定期的に自分で掃除することで、シャッターの見た目や機能を良好に保てるでしょう。ここでは、掃除に必要な道具の選び方と、外側・内側それぞれの掃除手順をご紹介します。
掃除に必要な道具と洗剤の選び方
シャッターを安全かつ効果的に掃除するには、用途に合った道具と洗剤を正しく選ぶことが大切です。
掃除道具
シャッターの掃除に使用する道具は、家庭や職場にあるものが中心です。主に用意したいのは、乾いた雑巾・ほうき・バケツ・柔らかいブラシ・歯ブラシなどです。
乾いた雑巾はホコリの拭き取りに、ブラシ類は隙間の細かい汚れを落とすのに適しています。硬すぎるブラシや金属製の道具は、シャッターの塗装を傷つけるおそれがあるため避けましょう。
洗剤の選び方
シャッターの塗装や金属表面を保護するためには、中性洗剤を薄めて使用するのが基本です。汚れがひどいからといって、アルカリ性や酸性の洗剤、漂白剤を使うと、塗装がはがれたり、素材が劣化したりする可能性があります。掃除中はゴム手袋を着用し、洗剤が手に直接触れないようにしましょう。
シャッター外側の掃除手順
外側を掃除する際は、安全性と仕上がりの両方を意識して進めることが重要です。
STEP1:シャッターを全開にして安全を確保する
作業中にシャッターが動くと危険なため、必ず電動シャッターは電源を切り、手動シャッターも完全に開けきった状態で作業を始めます。シャッターを全開にしておくと、上部から下部まで視界が確保でき、細かい部分まで掃除しやすくなります。
STEP2:乾いた布やほうきで全体のホコリを払う
シャッター全体に付着したホコリや汚れを、乾いた雑巾やほうきでやさしく払い落とします。あらかじめ表面のホコリを取り除くことで、後の水拭きで汚れが広がるのを防げます。
STEP3:隙間の汚れをブラシや歯ブラシでかき出す
表面のホコリを払ったあとでも、スラットの隙間やレールの奥には細かい汚れが残りがちです。毛先のやわらかいブラシや使い古した歯ブラシを使って、スラットの重なりやレールの溝に入り込んだ砂埃をかき出すように掃除します。
STEP4:中性洗剤を薄めたぬるま湯で固く絞った雑巾を用意する
洗剤は必ず中性のものを選び、ぬるま湯でしっかり薄めて使用します。雑巾は水滴が垂れない程度に固く絞り、塗装への負担を抑えながら拭き掃除に使いましょう。
STEP5:スラットの上から下へ1枚ずつ水拭きする
シャッターを効率よくきれいにするため、スラットを上から順に1枚ずつ水拭きします。縦にまとめて拭こうとすると拭き残しが出やすいため、横方向に丁寧に進めるのがコツです。
STEP6:レールの外側や底面を水拭きし、汚れが残らないようにする
ガイドレールの外側や下部には、泥や油分がたまりやすいため、雑巾でしっかり拭き取ります。細い隙間がある場合は、ブラシも併用すると効果的です。
STEP7:乾いた布で全体をしっかりから拭きする
水分が残っていると、サビやカビの原因になります。掃除後は必ず乾いた布で丁寧にから拭きし、シャッター全体をしっかりと乾燥させてください。
STEP8:必要に応じてレールにシリコンスプレーを使用する
シャッターの滑りが悪いと感じている場合は、ガイドレールにシリコンスプレーを軽く吹き付けます。オイル系の潤滑剤はホコリを吸着しやすく、逆効果になるため避けましょう。
シャッター内側の掃除手順
シャッターの内側にも汚れはたまりやすく、外側と同様に丁寧な掃除が必要です。
STEP1:乾いた雑巾で全体のホコリを拭き取る
内側のスラットやレール部分も、静電気や室内の空気に含まれるホコリが付着しやすくなります。乾いた雑巾で全体を軽く拭き取り、ホコリを浮かせます。
STEP2:隙間や隅をブラシで清掃する
外側と同様に、内側の隙間や角の部分も汚れがたまりやすいため、ブラシで丁寧にかき出しましょう。
STEP3:中性洗剤を使って水拭きする
汚れが目立つ部分には、薄めた中性洗剤を使ってやさしく水拭きします。強くこすると塗装が傷つくおそれがあるため、力加減に注意してください。
STEP4:から拭きで水分を完全に拭き取る
内側に湿気が残ると劣化の原因になります。掃除の最後は、乾いた布で水分を丁寧に拭き取り、しっかりと乾かすことが大切です。
シャッター掃除で注意すべきポイント
掃除はシャッターを長持ちさせるうえで欠かせませんが、間違った方法では逆効果になることもあります。安全かつ効果的に掃除するために、次の点に注意しましょう。
やってはいけない掃除方法とは?
一見便利に見える高圧洗浄機ですが、水がシャッター内部に入り込むと故障の原因になります。また、金属製のたわしや研磨剤入りスポンジは、スラット表面を傷つける可能性があるため避けましょう。
電動シャッター特有の注意点
電動シャッターの場合は、掃除前に必ず電源を切っておきましょう。感電や誤作動を防ぐだけでなく、水分がセンサーにかかると故障や異常動作の原因になるため、濡らさないよう注意して拭き取ってください。
無理に分解しないことの重要性
シャッターを自分で分解して掃除しようとするのは、非常に危険です。部品のずれや破損につながるおそれがあり、故障の原因になります。内部の清掃が必要な場合は、専門業者に依頼しましょう。
掃除しても直らないときは?専門業者に相談すべきケースと費用相場
シャッターの不具合が、掃除や簡単なメンテナンスで改善しない場合は、内部部品の劣化や故障が原因となっている可能性があります。
異音・重さ・ガタつきは故障のサインかも
「開閉時に異音がする」「動きが重い」「レールに引っかかる」などの症状は、部品の摩耗やゆがみが原因かもしれません。また、電動シャッターではモーターやセンサーの不具合も考えられるため、異常を感じたら業者に相談しましょう。
劣化部品や電動機構は自分で対応が難しい
モーターやスイッチ、制御基板などの電動機構は構造が複雑で、自己判断での作業はリスクを伴います。内部に異常があっても見た目では判断しづらく、誤った対応によって故障が広がるおそれもあるでしょう。電動部分に不具合が見られるときは、自分で対処しようとせず、専門業者へ相談してください。
業者に掃除や点検を依頼する場合の費用相場は?
業者に掃除や点検を依頼する際は、作業内容やシャッターの種類によって費用が異なります。あらかじめ相場を確認しておきましょう。
手動シャッターのメンテナンス・点検:1万円~2万円
手動シャッターの掃除や点検は比較的シンプルな作業で済むため、費用は1万円〜2万円程度が相場です。主に、スラットやガイドレールの清掃、潤滑剤の塗布、部品のゆるみや摩耗のチェックなどが含まれます。大がかりな修理を伴わない軽度のメンテナンスであれば、この範囲内で対応できることが多いでしょう。
電動シャッターのメンテナンス・点検:2万円~3万円
電動シャッターは、モーターや制御機器などの電気系統を含むため、点検やメンテナンスにかかる費用は手動式よりやや高めで、2万円〜3万円程度が目安です。点検内容には、開閉動作の確認やセンサーの動作チェック、モーター音やスイッチ反応の確認などが含まれます。安全性や耐久性を保つためにも、定期的な専門業者による点検が効果的です。
シャッターの掃除で不安を感じたら99シャッターにご相談を
日頃からこまめに掃除をしていても、動作の重さや異音が続く場合は、無理に対応せず、専門業者に任せたほうが安心です。自己判断での対処は、かえって故障を悪化させる原因になりかねません。
99シャッターは、手動・電動を問わず、あらゆるタイプのシャッターに対応可能です。現地での調査や見積もりは無料で、経験豊富なスタッフが状況を丁寧に確認し、メンテナンス・点検から修理・交換まで、最適なご提案をいたします。
掃除をしても不安が残る場合や、少しでも異常を感じたときは、お早めに99シャッターへご相談ください。

【筆者・監修者企業】
99シャッター(合同会社BUKAS)
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