文化シヤッターのEGRシリーズは、工場や倉庫、商業施設などの重量シャッターに採用されている開閉機です。防火・防煙シャッターにも広く使用されているEGRシリーズには、電動式だけでなく手動式もあり、用途や設置環境に応じて型式が選定されます。本記事では、EGRシリーズの特徴や停電時・非常時の手動操作方法、よくある不具合や修理・交換の判断基準について解説します。
文化シヤッターのEGRとは?
EGRシリーズは、文化シヤッター製の重量シャッターや防火・防煙シャッターなどに使用される開閉機です。ここでは、EGRシリーズの特徴や型式ごとの違いを紹介します。
EGRシリーズは停電時の手動操作機構を備えている(型式による)
文化シヤッターの電動開閉機EGRシリーズは、通常時は電動で駆動しますが、万が一の停電時に備えて手動で開閉するための機構(ハンドルまたはチェーン式)を備えているモデルがあります。ただし、シャッターの規模や型式によっては手動操作の仕様が異なるため、設置されている製品の確認が必要です。
大型シャッターや重量シャッターなどに使用される
EGRシリーズは、重量グリルシャッターや大型重量シャッター、防火・防煙シャッターなどに採用される開閉機です。店舗では閉店後の防犯対策として設置されるグリルシャッターに搭載され、倉庫や工場では大型開口部に対応した重量シャッターに採用されます。また、防火・防煙シャッターでは防災設備と連動して閉鎖動作を行います。
型式によって出力や対応重量が異なる
EGRシリーズには複数の型式があり、シャッターの重量や用途によって使い分けられています。例えば、店舗やビルに設置されている重量グリルシャッターに採用されているのは、定格出力0.125kWのEGR-30Xや、定格出力0.4kWのEGR-70Xなどです。シャッターの自重に対して開閉機の出力が不足すると、正常に昇降しなかったり過度な負荷による故障を招いたりするため、それぞれの規模に合わせたモデルが選定されます。
文化シヤッターEGRが採用されている主なシャッター
EGRシリーズの開閉機は、用途や設置環境に応じてさまざまなシャッターに採用されています。
重量グリルシャッター
グリルシャッターは、店舗やビルの閉店時におけるウインドウや間仕切り、建物の外観デザインを重視する出入り口へ導入される製品です。EGRシリーズの開閉機は、防犯性や透視性、通風性が求められる建物の重量グリルシャッターに広く採用されています。
重量シャッター
大型の開口部を備えた倉庫や工場へ導入される重量シャッターにも、EGRシリーズの開閉機が多く搭載されています。搬入口や荷さばきエリアといった広大なスペースを仕切る、重量のあるシャッターをスムーズに開閉するために、EGRシリーズの開閉機は欠かせない存在です。シャッター全体の面積や総重量に応じて、過度な負荷がかからないよう、適切な出力を備えた型式が使用されます。
防火・防煙シャッター
商業施設やオフィスビルなどの大型施設に設置される防火・防煙シャッターの開閉装置としても、EGRシリーズが広く用いられています。火災の発生時に煙や熱を感知する防災設備と連動して、自動的に閉鎖動作を行う仕組みです。万が一の事態における確実な作動が求められるため、法定点検の対象設備として定期的な検査が行われます。
モーター開閉機EGRの停電時・非常時の手動操作方法
地震や台風などの災害によって停電した際に、やむを得ず電動シャッターを使用する場合は、手動でシャッターを操作します。EGRシリーズの電動式開閉機は手動操作機構を備えており、電動から手動へ切り替えてシャッターを開閉できます。
停電時の手動開閉手順
手順1.シャッターの電源を切る
手動操作中に停電が復旧すると危険なため、シャッター用のブレーカーを落とすか、シャッター本体の電源を切ってから操作しましょう。
手順2.シャッターの点検口を開ける
点検口は天井またはシャッターケースの開閉機が設置されている側にあります。停電時は高所かつ暗所での作業となるため、しっかりとした足場と手元を照らす照明を用意し、安全を確保してから操作してください。また、安全を確認するために、作業は複数人で行います。
手順3.シャッターを上げる
手動操作用のハンドルまたはチェーンを使ってシャッターを開放します。点検口を開ける際は、ハンドルやチェーンが落下する危険があるので注意しましょう。
手順4.シャッターを下げる
シャッターを下げる際は、白いブレーキ解放ひもを引いてゆっくりと降下させます。シャッターが降下する範囲内に人や物がないか確認します。
手順5.ハンドルまたはチェーンを戻す
操作が完了したら、使用したハンドルまたはチェーンを元の位置に戻し、点検口を閉めましょう。
ハンドル・チェーンによる手動操作
開閉機の手動機構にはハンドルまたはチェーンの2つのタイプがあります。
ハンドルでの操作
備え付けのハンドルを開閉機の後ろの軸に奥まで差し込み、ハンドルを回してシャッターを上げます。開閉機の取り付け位置が左側の場合は反時計回り、右側の場合は時計回りにハンドルを回します。シャッターが上がりすぎると降ろせなくなるため、天井面またはケース付近から10cm程度下を上限の目安にしましょう。
チェーンでの操作
開閉機に備え付けられたショートリンクチェーンを取り出して下に垂らし、シャッターから遠い側のショートリンクチェーンを引っ張り続けてシャッターを上げます。こちらも同様に、シャッターが上がりすぎると降ろせなくなるため、天井面またはケース付近から10cm程度下を上限の目安とします。
復電後の復旧操作
停電が解消した後は電動操作に戻すための復旧作業を行います。手動操作から電動操作への切り替えを行わないと、停電が復旧してもシャッターは電動で動きません。
手順1.押しボタンまたはリモコンの「閉」ボタンを押す
手順2.シャッターが下降し下限(床面)で停止すれば復旧完了
手順3.シャッターが下降しない場合は、押しボタンまたはリモコンの「開く」ボタンを押す
手順4.シャッターが上限(全開)で停止すれば復旧完了
防火・防煙シャッターの非常時動作
EGRシリーズの開閉機を搭載した防火・防煙シャッターは、非常ボタンの操作や防災連動信号の受信により、自動的に閉鎖する仕組みです。信号を受けると開閉機のブレーキが解放され、シャッターが自重でゆっくりと降下を始めます。作動後は、防災盤などで火災信号をリセットしてから復旧作業を行います。
手動操作ができない型式もある
開閉機の型式によっては手動操作が行えません。EGRシリーズでは、「EGR-○○○」の数字が140以下であれば手動操作が可能です。そのため、EGR-170Xなど、大型重量シャッターや特殊大型重量シャッター、高速低振動グリルシャッターや高速高頻度シャッターなどは、手動でシャッターを開放できません。停電が復旧するまで待つか、文化シヤッターのサービスに連絡して操作を依頼しましょう。
EGRで起こりやすい不具合と修理費用の目安
EGRシリーズでは、経年劣化や使用環境の影響によって、開閉不良や異常動作が発生する場合があります。特に、防火・防煙シャッターでは、防災設備との連動不良や停止トラブルが発生するケースも珍しくありません。
異音がする
昇降時に発生する摩擦音や異音は、スラットのズレによるガイドレールとの接触や、開閉機本体の経年劣化が主な原因です。そのまま稼働を続けると負荷がかかりすぎて完全に動かなくなる恐れがあるため、レールの調整や開閉機の交換を行います。
上がらない
操作スイッチを押してもシャッターが上昇しない不具合は、長年の使用による電気部品の経年劣化や、モーター内部の故障によって発生します。また、落雷などの影響による突発的な電気系統のトラブルが原因になる場合もあり、開閉機の交換が必要です。
下がらない
下降の操作に対してまったく反応しないトラブルは、リミットスイッチの破損や設定のズレ、制御盤の寿命が原因です。不具合を起こしているリミットスイッチの部品交換や、制御盤の取り替えを行います。
途中で止まる
シャッターが昇降の途中で停止する不具合は、座板に設置された障害物感知装置の汚れによる誤反応が考えられます。感知装置の表面に付着したホコリや異物が光を遮っているケースでは、センサー部分の清掃で不具合が解消するでしょう。経年劣化が進んでいる場合は感知装置の交換が必要です。
止まらない
定位置に達してもモーターが停止しない状態は、上限や下限の停止位置を設定するリミットスイッチの破損が原因です。自動停止が機能しないまま巻き上げが続くと、天井内にスラットが巻き込まれて二次被害を招くため、早急にリミットスイッチの交換と位置の再設定を行わなければなりません。
復旧しない
緊急閉鎖や手動操作の後に電動操作へ戻らないトラブルは、サビや汚れによる連動レバーの固着や、復旧ワイヤーの引っかかりなどが考えられます。非常用の作動状態のまま固定されているため、サビの除去や変形したワイヤーなどの部品交換を行います。
危害防止装置が機能しない
下降中に障害物に接触しても停止や反転をしない状態は、座板スイッチの内部断線や、配線や制御回路の電気的な不具合が疑われます。安全上の問題につながる不具合のため、危害防止装置に関わるセンサーや配線類の交換を行います。
手動閉鎖装置を押しても降下しない
非常ボタンを押しても自重降下が始まらない不具合は、自動閉鎖装置の基板不良や、ブレーキ解放機構の経年劣化が原因として挙げられます。防災設備からの信号を受け取っても連動レバーが作動しない場合は、自動閉鎖装置や連動中継器の交換を行います。
電動シャッターの症状別修理費用の目安
| 症状 | 修理費用の目安 |
| 上がらない・下がらない | 3万円~ |
| 途中で止まる | 3万円~ |
| 停止位置がズリ下がる | 5万円~ |
| 異音がする | 2万円~ |
| 停止ボタンが効かない | 5万円~ |
| 操作ボタンが正常に作動しない | 4万円~ |
| モーターが回らない | 2万円~ |
※修理費用はあくまで目安です。正確な金額は無料の見積もり後にお知らせいたします。
EGRの寿命は?修理と交換の判断基準
EGRシリーズでは、長年の使用によって開閉機本体や制御機器に負荷が蓄積し、異音や停止トラブルなどの不具合が発生します。軽微な症状であれば修理対応できるケースもありますが、部品の摩耗や電気系統の劣化が進行している場合は、開閉機本体の交換を検討しなければなりません。
EGRシリーズの耐用年数の目安
EGRシリーズを含む重量シャッターの設計耐用年数は15年、設計耐用回数1万回開閉と定められています。
| 製品 | 設計耐用年数 | 設計耐用回数 |
| 一般重量シャッター | 15年 | 1万開閉 |
| 重量グリルシャッター | 15年 | 1万開閉 |
| 防火・防煙シャッター | 15年 | 1万開閉 |
出典:文化シヤッター株式会社「シャッターのお取り扱いについて」(https://www.bunka-s.co.jp/support/check/)
修理対応で改善するケース
異音や停止位置のズレ、障害物感知装置の誤反応などは、部品交換や各部の調整によって改善する場合があります。レール内部の清掃やセンサー調整のみで正常動作へ戻るケースもあり、開閉機本体に大きな損傷が見られない場合は修理対応が中心です。
交換が検討されるケース
モーター内部の故障や制御盤の電気的不良、繰り返し発生する停止トラブルなどは、開閉機本体の交換が必要になる可能性があります。経年劣化によって部品供給が終了している型式では、修理ではなく交換対応が優先されます。
交換費用の目安
EGRシリーズの開閉機の交換にかかる費用は、開閉機本体の価格と工事費を合わせておおよそ30万円〜50万円前後が目安です。設置環境やシャッターの重量、制御盤との連動仕様によって費用は変動します。
文化シヤッターEGRシリーズの修理・点検は99シャッターにおまかせください

99シャッターは文化シヤッターの認定工事店です。メーカーの製品に関する豊富な知識を備えており、多種多様なシャッターの修理や定期点検、交換工事や新規設置に対応します。
文化シヤッターの製品に対応した施工体制
99シャッターでは、EGRシリーズをはじめ、文化シヤッター製の開閉機を含む各種シャッターの施工に対応しています。製品ごとの設計や仕様を把握しており、発生している不具合の原因特定や、経年劣化の状況に応じた修理・点検を行います。
防火・防煙シャッターの点検
99シャッターには防火設備検査員が在籍しています。建築基準法に基づく定期検査報告にも対応しており、火災時に作動する防火・防煙シャッターの開閉機構や、連動する安全装置の動作確認を行います。
各種シャッターの修理・交換に対応
99シャッターでは、手動式・電動式といった駆動方式の違いを問わず、住宅や店舗のガレージシャッターから、防火・防煙シャッターまで、幅広いシャッターの修理や交換に対応しています。
まとめ
文化シヤッターのEGRシリーズは、防火・防煙シャッターや重量シャッターに使用される開閉機です。設置環境や使用状況によって不具合の内容は異なり、異音や開閉不良などの症状が発生する場合があります。原因が開閉機本体だけとは限らず、制御系統や安全装置が関係しているケースも少なくありません。99シャッターは、文化シヤッター認定工事店として、EGRシリーズを含む文化シヤッター製シャッターの修理・点検から開閉機の交換まで自社施工で行っています。動作不良や異音などが見られる場合は、早めに99シャッターまでご相談ください。
【筆者・監修者企業】
99シャッター(合同会社BUKAS)
弊社はシャッターを扱って15年以上の実績をもつ代表をはじめ、豊富な工事実績があります。
窓シャッター・車庫シャッター・工事シャッターではメーカー全面協力により信頼と安心安全の施工を実現し、メーカー保証付きで格安で施工いたします。
私たち99シャッターは、シャッター修理・交換・取付に関するお役立ち情報を発信しております。



