防火シャッターは、火災時に炎や煙の広がりを抑えるために設置される設備ですが、どのような仕組みで作動しているのか、構造まで理解している人は多くありません。防火シャッターは感知器や防災盤、開閉機など複数の機器が連動することで作動するため、いずれかの機器に不具合があると、非常時に正常に閉鎖しない可能性があります。本記事では、防火シャッターを構成する各機器の役割や作動の仕組みから、復旧方法やよくある不具合まで解説します。
防火シャッターとは何か
防火シャッターは、火災時に炎や煙の広がりを抑えるために設置される防火設備です。ここでは、防火シャッターの役割について説明します。
防火シャッターの役割と働き
防火シャッターは、火災時に炎や煙が別の区画へ広がるのを防ぐ役割を担います。建物内部には、万が一の火災が広がらないよう壁や床でエリアを分ける「防火区画」が設けられており、火災時には区画ごとに被害を抑える構造です。防火シャッターは、防火扉と同様に開口部を閉鎖し、防火区画を形成する設備として使用されます。通常時の防火シャッターは開放状態です。火災時には感知器が煙や熱を検知し、防災盤を介して作動信号が送られます。信号を受けた防火シャッターは自動で降下し、通路や吹き抜けなどの開口部を閉鎖します。
防火シャッターが設置される主な場所
防火シャッターは、不特定多数の人が利用するショッピングモールや百貨店、病院や劇場、学校やオフィスビルなどの大規模な建物を中心に導入されています。設置される主な場所は、煙や炎が広がりやすい階段やエスカレーター周辺、吹き抜けなどの開口部です。
こうした場所を防火シャッターで仕切り、火災時に煙がフロア全体や別階へ一気に広がる事態を防ぎます。防火シャッターは、建物の規模や用途に応じた適切な位置に配置され、火災時の安全を支えています。
防火シャッターの構成機器
防火シャッターは、火災時に自動で作動し開口部を閉鎖するために、複数の機器で構成されています。ここでは、防火シャッターを構成する主な機器と、それぞれの役割を解説します。
開閉機
開閉機は、防火シャッターを昇降させるための駆動装置です。通常時は電気の力で巻き上げを行い、シャッターを所定の位置で保持します。火災時には内蔵されたブレーキを解除し、シャッターを自重によって降下させます。
リミットスイッチ
リミットスイッチは、防火シャッターの開閉位置を検知し、停止位置を制御する装置です。上昇・降下の限界位置を判断し、設定された位置で動作を止める役割を持ちます。
自動閉鎖装置
自動閉鎖装置は、火災信号を受けて防火シャッターの降下動作を開始させる装置です。防災盤や感知器からの信号によって作動し、開閉機のブレーキを解除する役割を担います。機種によっては、手動操作で作動させる方式もあります。
危害防止装置
危害防止装置は、防火シャッターの降下中に人や物を検知し、接触や挟み込みを防ぐための安全装置です。障害物を検知した場合、一時的に動作を停止させますが、障害物が取り除かれると再び降下し、確実に開口部を閉鎖する仕組みになっています。
煙感知器・熱感知器
煙感知器や熱感知器は、火災による煙や温度上昇を検知する装置です。煙や熱を感知すると防災盤へ信号を送信し、防火シャッターを作動させます。設置環境に応じて、煙式と熱式が使い分けられます。
防災盤(集中制御盤)
集中制御盤とも呼ばれる防災盤は、感知器から送られた火災信号を受信し、防火シャッターを含む各防災設備へ制御信号を送る装置です。建物全体の防災設備を統括する役割を持ちます。
【電動式】防火シャッターの仕組み
防火シャッターには大きく分けて、電動式と手動式があります。電動式防火シャッターは、火災時に複数の装置が連動して作動する仕組みです。火災の発生からシャッターが完全に閉まるまでの流れを解説します。
感知器による熱や煙の検知
火災が発生すると、設置された煙感知器や熱感知器が異常を捉えます。煙や熱を検知したセンサーは、即座に火災信号を発信します。
防災盤による信号送信
感知器から送られた信号を防災盤が受信します。信号を受け取った防災盤は、対象エリアの防火シャッターに向けて、作動を指示する制御信号を送信します。
自動閉鎖装置への信号受信
防火シャッターに設けられた自動閉鎖装置が、防災盤からの制御信号を受け取り、待機状態から作動状態へと切り替えます。
開閉機ブレーキの開放
信号を受信した自動閉鎖装置は、開閉機に備わっているブレーキを解除します。
防火シャッターの自重降下
ブレーキが解除されると、シャッターは自身の重みによって降下を開始します。電気の力に頼らず自重で下がる仕組みにより、停電時であっても閉鎖が可能です。
自動閉鎖装置から防災盤への作動報告
シャッターが床面まで到達して閉鎖が完了すると、自動閉鎖装置が防災盤へ完了信号を送ります。防災盤側で閉鎖状態を確認できるため、建物全体の安全管理を正確に行えます。
【手動閉鎖装置】防火シャッターの仕組み
防火シャッターには、火災時に自動降下する仕組みに加え、非常時に人の操作で閉鎖を開始できる「手動閉鎖装置」が備わっています。ここでは、手動閉鎖装置による作動の流れを解説します。
手動閉鎖装置の操作
火災発生時には、防火シャッターの近くに設置された手動閉鎖装置を操作してシャッターを作動させます。ボックス内のボタンを押したり、レバーを引いたりして、開閉機のブレーキ解除動作を行います。
開閉機ブレーキの開放
手動閉鎖装置の操作により、開閉機に内蔵されたブレーキが解除されます。ブレーキの解放により、シャッターが降下できる状態になります。
防火シャッターの自重降下
ブレーキが解除されると、シャッターは自重によって降下し、開口部を閉鎖します。電源に依存せず動作するため、停電時でも閉鎖が可能です。
防火シャッターの復旧方法
防火シャッターは作動後、そのままでは再び降下してしまう場合があるため、各機器の状態を確認しながら正しく復旧させます。ここでは、防火シャッターの復旧方法を解説します。
防災盤の復旧
感知器が火災を検知した際に発信される火災信号や、シャッター作動中を示す信号を防災盤上で解除します。信号が残ったままでは復旧動作に移れないため、最初に行う手順です。信号が出ている場合はすぐにリセットするのではなく、異常がないことを確認してから信号を止めます。確認後にリセットボタンを操作し、表示灯が平常状態に戻っているか確認します。
手動閉鎖装置の復旧
手動閉鎖装置(非常ボタン)を操作して降下させた場合、機械式の場合は作動時に押し込まれたボタンやレバーを元の位置に戻します。電気式の場合や自動閉鎖装置が作動した場合は、スイッチボックス内の復旧ボタンを押し、開閉機がシャッターを保持できる待機状態に戻します。
シャッター本体の復旧
防災盤と各装置のリセット後、シャッター本体を復旧し、上限位置まで巻き上げます。電動操作が可能な機種では上げるボタンなどの指定されたボタンを押し、手動式では点検口からチェーンやハンドルを用いて巻き上げます。最後に、設定位置で安定して停止していることを確認します。
防火シャッターのよくある不具合
防火シャッターは長期間の使用や連動機器の影響で、正常に作動しない不具合が発生する場合があります。感知器や防災盤、開閉機など複数の設備が連動しているため、単純な部品不良だけでなく、信号系統や制御部分の影響が関係します。
防火シャッターが作動しない
火災信号が出ているにもかかわらず防火シャッターが動かない場合は、感知器から防災盤への信号が届かなかったり、防災盤から開閉機への出力が正常に行われなかったりすることが主な原因です。開閉機側ではモーターの焼損や制御基板の故障も関係します。点検では電源電圧の測定に加え、非常電源への切替が正しく行われているかを確認します。分電盤側のブレーカー遮断やヒューズ切れの可能性もあるため、電気系統と機械系統を分けて確認が必要です。
感知器と連動しない
煙感知器や熱感知器が反応しても、防災盤へ信号が届かない不具合は、感知器本体の故障に加え、配線の断線や端子の緩み、接触不良などが原因です。防火シャッターの施工時に天井裏の配線にわずかな傷が入っていると、時間が経ってから断線や接触不良として現れます。また、防火シャッターの改修工事で既存設備と新しい機器が混在している現場では、信号の仕様が一致せず、連動不良が発生する場合があります。感知器や防災盤だけを個別に交換しても改善しないため、配線や接続部分を含めた設備全体の確認が必要です。
手動閉鎖装置を押しても降下しない
手動操作をしても防火シャッターが降下しない場合は、解除機構の固着やワイヤーの引っ掛かり、開閉機ブレーキの未解除などが原因です。操作部の戻り不良や内部ばねの劣化が影響したり、粉じんの堆積や油分付着によって可動部の抵抗が増加し、操作が伝わらなくなったりします。設置環境が悪い現場ほど発生頻度が上がります。
危害防止装置が作動しない
防火シャッターの降下中に障害物を検知しても停止しない不具合は、シャッター下端に設けられた座板スイッチの電池切れや、コードリールの断線、またはセンサー部分の劣化や破損が主な原因です。検知距離が基準値から外れると、安全機能が働かない状態になるため、点検では遮光テストや反応時間の確認、センサー角度の調整をします。
途中で止まる
防火シャッターが途中で止まり、最後まで降下しない場合は、ガイドレールの歪みや異物混入、スラットの変形、サビなどにより降下時の抵抗が増加していることが主な原因です。防火シャッターは非常時に自重で降下するため、物理的な引っ掛かりや抵抗が大きくなると途中で停止することがあり、さらに機種によっては異常負荷を検知する安全機能が働き、動作が停止する場合もあります。
復旧しない
防火シャッターの作動後に元の開放状態へ戻せない不具合は、防災盤のリセット不足や手動閉鎖装置の復帰不良が主な原因です。さらに、開閉機側の保持機構が解除されていない場合も復旧動作に移れません。感知器からの火災信号が残っている状態や、防災盤側で作動状態が保持されている場合も同様に復旧が停止します。そのため、どの機器が作動状態のままになっているかを順番に確認し、すべての状態を正常位置へ戻してから復旧作業を行います。
防火シャッターの不具合は99シャッターへ

防火シャッターは、作動不良や途中停止、復旧できないなど、不具合の症状が多岐にわたるため、現場での原因特定が難しい設備です。開閉機や感知器、防災盤など複数の機器が関係するため、専門的な点検と対応が必要になります。99シャッターでは、こうした不具合に対し、点検から修理・復旧まで一貫して対応しています。
防火シャッターの対応実績が豊富
99シャッターでは、防火シャッターの作動不良や途中停止、復旧不良などさまざまな不具合に対応しています。ビルや商業施設、工場など多様な建物での対応実績があり、症状に応じた点検・修理が可能です。単純な部品交換にとどまらず、不具合の原因に合わせた適切な対応を実施しています。
全メーカーの防火シャッターに対応可能
99シャッターでは、メーカーを問わず幅広い機種の修理に対応しており、現場の状況に応じて最適な施工内容を選定し、点検・修理を進めています。既存設備や古い機種についても、設置状況を踏まえて適切に作業をします。
防火設備検査員による点検対応
99シャッターには防火設備検査員が在籍しており、法令に基づく防火シャッターの定期点検を実施しています。感知器との連動確認や防災盤からの作動信号、本体の駆動状態などを総合的に確認し、正常に作動しているかを点検します。点検作業の完了後は、報告書の作成まで対応可能です。
まとめ
防火シャッターは、火災時に煙や炎の広がりを抑え、防火区画を維持するために設置される設備で、感知器や防災盤、開閉機などさまざまな機器で構成されています。複数の機器が関わる仕組みのため、不具合が発生した場合は原因の特定が難しいケースもあります。不具合が見られる場合は、専門業者による確認が必要です。99シャッターでは、防火シャッターの点検・修理に対応しています。防火シャッターの不具合でお困りの場合は、99シャッターまでご相談ください。
【筆者・監修者企業】
99シャッター(合同会社BUKAS)
弊社はシャッターを扱って15年以上の実績をもつ代表をはじめ、豊富な工事実績があります。
窓シャッター・車庫シャッター・工事シャッターではメーカー全面協力により信頼と安心安全の施工を実現し、メーカー保証付きで格安で施工いたします。
私たち99シャッターは、シャッター修理・交換・取付に関するお役立ち情報を発信しております。



