電動シャッターはボタンひとつで開閉できる便利な設備ですが、停電や非常時などには通常の操作ができなくなる場合があります。本記事では、電動シャッターを安全に手動で開放する具体的な手順や、メーカーごとの製品情報の確認方法と合わせて、手動操作時の注意点について解説します。いざという場面でも手動での開け方を知っておけば、落ち着いて対応できるでしょう。
電動シャッターを手で開ける方法
電動シャッターは、地震や火災による停電、突発的なシステムエラーなどが発生した際に備え、多くの機種で手動操作ができるようになっています。電気が供給されない緊急事態でも、手動操作でシャッターを開放すれば、避難経路の確保や車両の出庫が可能です。すべての製品が同じ手順で動かせるわけではありませんが、電動シャッターを手動に切り替える一般的な方法を知っておきましょう。
電動シャッターを手動に切り替える一般的な方法
通常の運用時、電動シャッターは電気の力でモーターを回転させて開閉しています。停電や非常時には、建物に設置されているシャッターの種類に応じて、チェーンやハンドルといった手動装置を動かしてシャッターを開閉します。大まかな流れは以下の通りです。
手順1:シャッターの電源を遮断する
電源復旧時の誤作動を防ぐため、ブレーカーを落としたり、シャッターの電源スイッチをオフにしたりしてから作業を始めます。
手順2:手動操作の準備をする
手動装置は開閉器が付いている側に設置されています。天井またはシャッターケースの点検口を開け、チェーンやハンドルといった手動装置を確認します。
手順3:シャッターを上げる(開ける)
チェーンを引いたり、ハンドルを回したりして、シャッターを上昇させます。
手順4:シャッターを下げる(閉める)
ブレーキ解放ひもを引いて自重でシャッターを降ろし、止めたい位置でひもを離します。
電動シャッターを手で開ける方法は2種類ある
電動シャッターを手で開ける方法には主に、シャッターケース内にあるチェーンを引っ張って動かす「チェーン式」と、専用のハンドルを開閉器の軸に差し込んで回転させる「ハンドル式」の2つの方式があります。チェーン式もハンドル式も手順はほぼ同じですが、異なる点もあるため、設置されている電動シャッターにどちらの方式が採用されているのか事前に確認しておきましょう。次の項目からは、それぞれの方式の手動操作の手順をくわしく解説します。
【チェーン式】電動シャッターを手で開ける方法
点検口の内部に格納されているチェーンを使って手動で開閉をする方式です。
ステップ1:シャッターの電源を切る
手動での操作を始める前に、建物のブレーカーを落とすかシャッター専用の電源スイッチをオフにしてください。電源を切らずに作業をすると、手動操作の途中で電気が復旧した際にシャッターが突然動き出す恐れがあります。
ステップ2:点検口を開ける
天井やシャッターケースに設けられている点検口を開けます。手動装置は開閉器が設置されている側に格納されているため、位置を確認したうえで開けてください。
ステップ3:チェーンを引き出す
点検口の内部に収納されている手動操作用のチェーンを引き出します。
ステップ4:チェーンを下に引く
シャッター本体から離れている側のチェーンを下へ引きます。
ステップ5:必要な高さまでシャッターを上げる
任意の高さまたは天井やシャッターケースの10cm下の位置にシャッターが達するまでチェーンを引き続けます。シャッターを上げすぎると降りなくなる恐れがあるため注意してください。シャッターが必要な位置まで上がったら、チェーンを引かないようにしましょう。
続いて、開けたシャッターを閉める手順を解説します。
ステップ1:ブレーキ解放ひもを引いてシャッターを下げる
開閉器から出ているブレーキ解放ひもを引くと、シャッターが自重でゆっくりと降り始めます。
ステップ2:任意の高さまでシャッターを下げる
ブレーキ解放ひもを引き続け、目的の高さまでシャッターを下げます。降ろしすぎると再び上げられなくなるため、一気に降ろさないようにしましょう。
ステップ3:ブレーキ解放ひもから手を放す
シャッターが止めたい位置まで下りたら、ブレーキ解放ひもから手を放してください。
ステップ4:チェーンを元の状態に戻す
一連の開閉操作が終わったら、チェーンとブレーキ解放ひもを点検口の内部へ収納して閉めます。
【ハンドル式】電動シャッターを手で開ける方法
点検口の内部に格納されている開閉器を専用ハンドルで操作し、手動で開閉をする方式です。
ステップ1:シャッターの電源を切る
手動での操作を始める前に、建物のブレーカーを落とすかシャッター専用の電源スイッチをオフにしてください。電源を切らずに作業をすると、手動操作の途中で電気が復旧した際にシャッターが突然動き出す恐れがあります。
ステップ2:点検口を開ける
天井やシャッターケースに設けられている点検口を開けます。手動装置は開閉器が設置されている側に格納されているため、位置を確認したうえで開けてください。
ステップ3:ハンドルを開閉器にセットする
専用のハンドルを開閉器の後ろにある軸に差し込みます。
ステップ4:ハンドルを奥から手前に回す
ハンドルを奥から手前に向かって回します。
ステップ5:必要な高さまでシャッターを上げる
任意の高さまたは天井やシャッターケースの10cm下の位置にシャッターが達するまでハンドルを回し続けます。シャッターを上げすぎると降りなくなる恐れがあるため注意してください。シャッターが必要な位置まで上がったら、ハンドルを回さないようにしましょう。
シャッターを閉める動作は、チェーン式と同じです。一連の開閉操作が終わったら、ハンドルを所定の位置に戻し、ブレーキ解放ひもを収納して点検口を閉めます。
【メーカー別】電動シャッターの型番・品番・ラベルの確認方法
不具合の相談や部品交換を依頼する際には、電動シャッターの型番や品番が必要となります。ここでは、各メーカーの製品に貼られているラベルの確認方法を見ていきましょう。
三和シヤッター
三和シヤッターの電動シャッターは、シャッターの室内側最下部にある水切り(座板)部分に製造番号や型番が記載されたラベルが貼られています。また、操作用リモコンの裏面の警告ラベルでも、型番や製造番号を確認できます。さらに、操作用リモコンの裏面の警告ラベルでも、型番や製造番号を確認できます。
文化シヤッター
文化シヤッターの電動シャッターは、シャッターの室内側最下部の左右いずれかに、アルミ製のネームプレートやシールが貼り付けられています。また、電動ワイドシャッターや重量シャッターなどの一部の製品では、IDタグ(個別認識票)で確認可能です。
YKK AP
YKK APの電動シャッターは、シャッターの内観(室内側)から見て下部に商品ラベルが貼られています。このラベルには、業者へ修理や部品調達を依頼する際に必要となる正確な商品名が記載されています。
LIXIL
LIXILの電動シャッターは、シャッターを閉めた状態で室内側から見て、下の幅木部分の左右どちらかに商品ラベルが貼られています。
製造時期や製品シリーズによって貼られている側が異なるため、左右どちらの幅木も確認するようにしてください。
電動シャッターを手で開ける際の注意点
電動シャッターを手動で操作するのは、停電や設備トラブルが発生し、緊急対応が必要な場合に限られます。通常時とは異なる操作になるため、誤った手順や無理な扱いは故障や事故につながりかねません。ここでは、安全に手動操作するために押さえておきたい注意点を解説します。
緊急必要時以外は停電復帰を待つ
停電などの一時的な状況であれば、無理に手動操作をせずに電源復旧を待ちましょう。急を要する出入りがない場合は、電気の再開を待ったほうが安全です。
シャッターの電源を切ってから操作する
作業を開始する前には必ずブレーカーを落とすか専用の電源スイッチを切り、誤作動を防ぎます。通電可能な状態のまま作業をすると、復電時にシャッターが突然動き出す恐れがあります。
安定した足場を確保して作業する
手動操作は、足元が安定した状態で行いましょう。不安定な踏み台や椅子を使うと、バランスを崩して転落する危険があります。
操作時は極力シャッターから離れる
手動で開閉をする際は、シャッターの直下や可動範囲を避けて作業します。ブレーキ解放後は自重で動くため、万が一の落下や急な動作に備えて身の安全を確保しましょう。
異音や動作に異変を感じたら操作を中止する
手動操作中に異音や違和感がある場合は、それ以上の操作をしないでください。シャッター内部で不具合が起こっている可能性が高く、無理な操作は故障につながります。
手動で操作できない製品もある
シャッターの仕様によっては非常開放機構が備わっていない場合があります。例えば、三和シヤッターのガレージドアでは、外部手動切替装置がオプションとなるケースもあり、事前の確認が欠かせません。
操作方法がわからないときは取扱説明書を確認する
手動操作に不安がある場合は、無理に作業をせずに取扱説明書を確認してください。各メーカーの公式サイトでは、電動シャッターの取扱説明書が公開されています。また、手動操作の手順を確認できる解説ページや動画を公開しているメーカーもあり、事前に確認すれば操作内容を理解しやすいでしょう。
手動シャッターから電動化するメリット
既存の手動シャッターを電動式へリフォームすると、日々の暮らしに大きな変化が生まれます。ここでは、電動化によって得られる主なメリットを紹介します。
操作が簡単
手動シャッターは、開閉のたびにシャッターを持ち上げたり引き下げたりする動作が必要です。サイズが大きいシャッターでは重さを感じやすく、毎日の開閉が負担になるでしょう。電動シャッターは、スイッチやリモコン操作だけで昇降できるため、力の弱い方や高齢者でも手軽に扱えるようになります。
開閉音が静か
手動シャッターは、開閉時に金属同士が擦れる音や振動音が発生しやすい傾向があります。一方、電動式はモーターによって一定の速度を保ちながら動作するため、大きな音が響きません。住宅街でも近隣に気兼ねすることなくシャッターを開閉できます。
開閉時に雨やホコリが入らない
電動シャッターは室内にあるスイッチやリモコンで操作をするため、窓を開ける必要がありません。冬場の冷気や夏場の熱気、梅雨時期の雨風を室内に入れずに開閉が行えるため、室内環境を快適な状態に保てるのが大きなメリットです。
防犯性が向上する
電動シャッターは、閉鎖時に自動でロックがかかる製品が一般的です。手動式よりも持ち上げにくいため、防犯対策として導入するケースも増えています。また、リモコンやスイッチ操作によって短時間で開閉できるため、閉め忘れ防止にもつながります。
電動シャッターの導入前に知っておきたいこと
電動シャッターは利便性や防犯性の向上につながる一方で、設置前に確認しておくべきポイントがいくつかあります。設置後のトラブルを避けるためにも、注意点を把握しておきましょう。
コストがかかる
手動シャッターに比べて、電動シャッターは本体価格や工事費が高くなります。モーターや制御装置を搭載する製品代に加え、電気配線工事の費用も発生するためです。導入時には、初期費用と利便性のバランスを考慮して検討を進める必要があります。
定期的なメンテナンスが必要
モーターや駆動部品を使用する電動シャッターは、長期間安全に使用するために点検やメンテナンスが欠かせません。部品の摩耗による異音や動作不良を防ぐためにも、メーカー推奨の点検周期を守りましょう。専門業者が定期的な確認をすれば、故障のリスクを抑えられます。
停電時の操作方法を確認しておく必要がある
停電時にはモーターによる開閉ができなくなるため、あらかじめ手動操作への切り替え方法を把握しておかなければなりません。万が一の事態に備え、導入時に手動での動かし方を確認しておくと安心です。
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まとめ
電動シャッターは通常モーターで開閉しますが、停電や非常時には手動での操作が必要です。緊急時にスムーズかつ安全にシャッターを開閉するには、チェーン式やハンドル式などの操作方法を事前に確認しておかなければなりません。また、機種ごとに手動切替の構造や操作方法が異なるため、誤った操作をすると故障につながる恐れがあります。必ず取扱説明書を確認し、正しい手順に従って対応してください。操作に不安がある場合や動作に異常がある場合は、無理に対応せず専門業者へ相談するのが安全です。99シャッターでは、シャッターの修理や点検・メンテナンスはもちろん、電動化の相談も承っております。不具合が解消しないときや原因がわからないときは、99シャッターまでお問い合わせください。
【筆者・監修者企業】
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